ソレデモワタシハアナタヲアイス
求めたもの
「アレ、わざとでしょ?」
放課後、久しぶりに2人で入ったカフェで真由子が切り出した。
「なんの事?」
悟られないようにコーヒーをスプーンで混ぜてみたけれど、真由子の視線は私からズレる事はなかった。
「あの写真だよ。わざと男の子達と仲良さそうにしてたでしょ?いつもは美咲、あんな風に写ってないもん」
するどい指摘に返答に困った。
「なんであんな事したのかこの真由子さんに言ってみなさいよ?」
真由子はいたずらっぽく笑って私より先にカップに口をつけた。
きっと真由子は気付いている。
それでも私の口から理由を言わせたい雰囲気だった。
「まあね、行くなって言われたかった気持ちが分かんなくはないけどさ」
私が黙ったせいで出来た沈黙を真由子が代わりに破った。
やっぱり気付いているらしい。
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