ソレデモワタシハアナタヲアイス
「な~んでワケ分かんないところで意地張るかな?空人と一緒に冬休み過ごしたかったなら、向こう行かなきゃ良かったのに」
さすがは真由子。
このまま私がしゃべらなくても1人で会話が出来てしまいそうだ。
冬休み直前、ソラがクリスマスの予定を聞いて来た。
私はそれが嬉しくて、というか嬉し過ぎてついつい逃げ出してしまった。
別に冬休み恒例の海外生活は強制ではない。
その辺り、ウチの両親はちゃんと理解をしてくれている。
行かないと言えば、私は家で留守番をする事も出来た。
けれど私の「日本に居ない」という宣言にソラは最終的に「へぇ、そうなんだ」と言葉を発しただけだった。
―――カノジョと冬休み中、1回も会えなくて平気って事?―――
いや、会えないだけではなかった。
ソラの携帯は長い事、機種変更をしていない為、国際電話に対応していなかった。
自宅の電話番号でも教えてくれれば、こっちから電話をかけてあげなくもないのにと、私は少しイライラを抱えたまま飛行機に乗った。
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