ソレデモワタシハアナタヲアイス
見えるしるし
「サキ、良い?」
「やるんでしょ?さっさとして」
休日、俺はまたサキを家に呼んだ。
今日は邪魔な海人は居ない。
久しぶりに2人きりになった。
「痛かったら言えよな?」
「分かったから。変に時間、空けないでくれる?」
俺が耳に触れるとサキは覚悟を決めたのか目を閉じた。
「せぇーの…」
ガチャン。
俺の掛け声にサキの体が強張ったのが分かった。
「痛い?」
俺はゆっくり目を開けたサキの顔色をうかがった。
「思ってたより平気。痛いっていうか熱い」
サキは自分の耳に触れて改めて熱を確かめた。
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