ソレデモワタシハアナタヲアイス
「そうだね。あ、そうそう、もう1人、俺と塾一緒だったヤツも同じクラスみたいなんだよね。後で紹介するから。良いヤツだから美咲も大丈夫だと思うよ」
隆太がこんな事を言うのは、私が極度の人見知りだからだ。
真由子が隆太と友達でなければ、きっと私と隆太は今のような友達にはなっていなかったと思う。
そのくらい私は初めて会う人間が苦手だった。
「その友達ってイケメン?」
真由子が食らい付いた。
「俺の方がイケメン」
隆太が得意の笑顔を作った。
「あ、じゃ、パス」
「それってどういう意味?」
盛り上がる2人に挟まれてついつい居心地の良さをかみしめてしまう。
実際、私達が同じクラスになれた事を1番喜んでいるのは私かもしれない。
真由子と隆太が居てくれる。
それだけで心が安らいだ。
―――後、3年、この生活が無事に過ごせますように―――
そんな事を思っているうちに、今日からの新しい生活を送る教室に着いた。
< 15 / 435 >

この作品をシェア

pagetop