ソレデモワタシハアナタヲアイス
「だからアレは何なんだって?」
空人が身を乗り出して見た先では、校舎に向かって歩く生徒達の奇妙な行動が繰り広げられていた。
登校して来る美咲に気付いた生徒達が美咲見たさに自分も登校中だという事を忘れて、道を開けて立ち止まる。
そのほとんどはもちろん男子生徒でおそらく新入生だと思われる。
海の水を割いて道を作った旧約聖書のモーゼのように、美咲の前には歩くのに邪魔な生徒が誰も居ない状態になっていた。
「まぁ、空人のライバルがあれだけ居るって事なんじゃない?」
美咲が校舎に入ったのを見届けてから隆太は静かに窓を閉めた。
「ライバル?俺が負けるワケないだろ?」
空人は余裕の笑みを浮かべた。
「っていうか空人が美咲と付き合ってるって絶対、皆、知らないよね。美咲、今だに呼び出し受けてるし」
笑いながら言った私の言葉に空人が顔色を変えた。
「何?アイツまだ告られてんの?」
言わなきゃ良かったと後悔をした時にはすでに遅かった。
空人の余裕の笑みは跡形もなく消えていた。
「別に美咲は悪くないでしょ?こんな事で怒ってたら今度は美咲が逆ギレするよ?」
隆太がすかさず釘を打った。
「…分かってるよ…」
そう言いつつも空人の表情が和らぐ事はなかった。
空人が身を乗り出して見た先では、校舎に向かって歩く生徒達の奇妙な行動が繰り広げられていた。
登校して来る美咲に気付いた生徒達が美咲見たさに自分も登校中だという事を忘れて、道を開けて立ち止まる。
そのほとんどはもちろん男子生徒でおそらく新入生だと思われる。
海の水を割いて道を作った旧約聖書のモーゼのように、美咲の前には歩くのに邪魔な生徒が誰も居ない状態になっていた。
「まぁ、空人のライバルがあれだけ居るって事なんじゃない?」
美咲が校舎に入ったのを見届けてから隆太は静かに窓を閉めた。
「ライバル?俺が負けるワケないだろ?」
空人は余裕の笑みを浮かべた。
「っていうか空人が美咲と付き合ってるって絶対、皆、知らないよね。美咲、今だに呼び出し受けてるし」
笑いながら言った私の言葉に空人が顔色を変えた。
「何?アイツまだ告られてんの?」
言わなきゃ良かったと後悔をした時にはすでに遅かった。
空人の余裕の笑みは跡形もなく消えていた。
「別に美咲は悪くないでしょ?こんな事で怒ってたら今度は美咲が逆ギレするよ?」
隆太がすかさず釘を打った。
「…分かってるよ…」
そう言いつつも空人の表情が和らぐ事はなかった。