ソレデモワタシハアナタヲアイス
「久しぶり、空人。本当に受かってたんだね?」
隆太はさっきまでと変わらない態度で、友人らしきハイテンションな彼を私達3人と近い席に呼び寄せた。
「さっき言ってた塾一緒だったヤツ。隣の中学だった空人」
隆太が私と真由子にハイテンションな彼を紹介してくれた。
「斉藤空人です。よろしく」
自己紹介をしながらイスに座る彼と初めて目が合った。
「空人、こっちが美咲と真由子」
今度は、私達を紹介した。
「私、佐々木真由子、よろしくね、空人くん」
真由子もいつもの笑顔で、自己紹介を返した。
「『くん』要らないから。『空人』で良いよ。佐々木さん」
こんな事を急に言ってしまっても、斉藤空人は決して嫌な印象を与える人物ではなかった。
「あ、じゃ、私も『真由子』で良いよ、空人」
真由子は初めて会った人とでも何の問題もなく話す事が出来る。
こういう時に、羨ましいと思うのは私だけだろうか。
「美咲、ほら」
真由子が会話を促して来た。
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