ソレデモワタシハアナタヲアイス
なんだか最近のソラは気持ち悪いくらいに優しい。
それはこっちの調子が狂ってしまうほどだった。
「サキ、腹減んね?」
選曲の予約が終わったソラがフードメニューを私の前に広げた。
「どうせ割り勘にするんだろ?好きなの頼もうぜ」
ソラが隣で優しく笑った。
―――なんか調子狂うんだよね…―――
正直、ソラの態度をどう受け止めれば良いのか分からない私は、いつも不意をつかれていた。
「サキ?どうした?」
「え?な、何?」
急に至近距離で顔を覗かれて、情けない事に驚いてしまった。
「ちょっとぉ!私達が居るんだからイチャつくなら先に言ってよ!」
真由子が容赦なくマイクに向かって叫んだ。
「べ、別にイチャついてないし!」
私は慌てて全身で否定した。
「そんな事、言って、美咲、顔真っ赤だよ」
隆太が憎たらしく笑った。
そんな事は言われなくても分かるくらいに顔が熱い。
私がこんなになっているというのにソラは平然としていた。
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