ソレデモワタシハアナタヲアイス
「何でだ?おまえらずっと遊んでたじゃん!勉強してるとこなんか俺は見てない!」
本当に冗談じゃない。
美咲も真由子も隆太も、入学してからほぼ毎日4人一緒にファーストフードに寄ったり、買い物したり、カラオケに行ったりして、遊んで過ごしていた。
俺はこの目でその現場を見ている。
てっきりテストは捨てているものだと思って、俺は何もしないで受けた。
結果は、配られたテスト用紙を見た時にすぐに分かった。
終わった、と。
学校に入る時も紙きれで判決を言い渡され、入ってからもやっぱり紙きれで試される。
「何なんだよ…この不公平な現実は」
俺の叫びは嘆きに変わっていた。
「まぁまぁ、落ち着いて。空人も一緒にやろうよ」
真由子のイチ抜けで、そのゲームは終了したらしい。
隆太が集めたトランプを切って、今度は4人でやるように俺の前にも置いた。
「おし!負けねぇかんな!ゲーム系は得意なんだよ!」
俺は意気込んでトップ3に混ざって座った。
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