ソレデモワタシハアナタヲアイス
「いっつも憎たらしく笑ってるだけだろ?そうじゃなくて本当に普通に、自然に笑ってたんだよ」
自覚がないのかサキは意味不明といった顔をした。
「それ見て思ったワケよ。なんだ普通に笑えんじゃんって」
「だから一体、私の事、なんだと思ってるワケ?」
花火に染まるサキの表情がコロコロと変わる。
けれどその全てがサキだった。
「私はソラの事、ただのバカだと思ってた。実際、そうだしね」
悔し紛れなのかサキは得意の憎たらしい笑みを見せた。
「おまえな…」
「でも」
何か仕返しでもしてやろうかと思った俺を遮ってサキは俺の隣に移動した。
「今は違う」
サキの視線は俺に向かって真っ直ぐだった。
「じゃ、ま、いっか」
きっとサキはそれ以上を口にする事はない。
今日のサキはここまでで十分過ぎるほど素直だった。
俺とサキはまた静かに空を見上げた。
そして花火が終わる間際、きっと精一杯の思いで俺の手に触れて来たサキの手を俺はしっかりと握り返した。
自覚がないのかサキは意味不明といった顔をした。
「それ見て思ったワケよ。なんだ普通に笑えんじゃんって」
「だから一体、私の事、なんだと思ってるワケ?」
花火に染まるサキの表情がコロコロと変わる。
けれどその全てがサキだった。
「私はソラの事、ただのバカだと思ってた。実際、そうだしね」
悔し紛れなのかサキは得意の憎たらしい笑みを見せた。
「おまえな…」
「でも」
何か仕返しでもしてやろうかと思った俺を遮ってサキは俺の隣に移動した。
「今は違う」
サキの視線は俺に向かって真っ直ぐだった。
「じゃ、ま、いっか」
きっとサキはそれ以上を口にする事はない。
今日のサキはここまでで十分過ぎるほど素直だった。
俺とサキはまた静かに空を見上げた。
そして花火が終わる間際、きっと精一杯の思いで俺の手に触れて来たサキの手を俺はしっかりと握り返した。