ソレデモワタシハアナタヲアイス
無表情の受け付け
「良いよ。空いてる日で良ければ」
駄目元で話しをしに来た美術部員に、美咲は笑いかける事も渋る事もなく即答した。
「え?本当に良いんですか…?モデル…」
予想外の展開に相手の方が明らかに引いている。
「時間作る気はないけど、ヒマな時は良いよ、別に」
美咲は無表情のまま念を押した。
「…絶対、サキおかしい…」
それは誰が見てもそうだった。
最近の美咲はおかしい。
球技大会の時にはしっかり練習にも参加して、時には運動が苦手なクラスメイトにアドバイスまでしていた。
そのおかげで距離をおいていたクラスメイト達とは大分打ち解ける事が出来ていた。
それだけでもかなりの進歩だというのに、次いで今は文化祭を控えた美術部員からのモデルの依頼を引き受けている。
さすがに空人じゃなくても心配になる事態だった。
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