ソレデモワタシハアナタヲアイス
ここに居るという証拠
「なぁなぁ、さっきこのチラシもらったんだけど、やっぱ行くしかないだろ?」
「どれどれ?ホットドッグ?なんだよ、文化祭だったらありがちなメニューじゃん」
「ってメニューじゃなくてココ読んでみろって」
「何々?『お買い上げの方にはもれなく本郷美咲がケチャップとマスタードをお付けします。』ってマジか!?行くしかないだろ!」
―――はい、どなたか知りませんが、ご来店決定、ありがとうございます―――
サキは相変わらずアイドル的存在だった。
予想外のサキの出店参加を良い事に、真由子はうちの出店でしか出来ないこんなサービスを打ち出した。
ついでにクラスの有志で、と始めた出店企画はお祭り好きが揃っているせいで最終的には全員参加となっていた。
―――サキがただ最後にケチャップとマスタード付けるだけでこんなに効果あんのかよ―――
俺は朝から真由子の指示通りにビラ配りをしていた。
今の連中で一体何人が真由子の思惑通りに釣られたのかもう分からない。
観察も兼ねて俺は自分のクラスの出店に戻ってみる事にした。
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