ソレデモワタシハアナタヲアイス
「美咲、大丈夫だよ。俺も居るから」
部屋の中から隆太が顔を出した。
「…なんで隆太まで居るワケ?」
隆太を見て少しホッとした私は、熱が冷めて行くのを感じた。
「もし空人が暴走でもしたりしたら大変でしょ?それとも邪魔だった?」
隆太はムカつく笑みを浮かべてみせた。
「邪魔とかじゃなくてヤバイでしょ!?なんで勝手に部屋に入って来んの?先生来たらアウトじゃん!」
私はとりあえずソラを部屋に押し込んで素早く後ろ手で窓とカーテンを閉めた。
「その先生がミーティングだからって真由子がカギ置いて行ったんだよな?」
ソラが隆太に同意を求めた。
「ちょっと待って。真由子がソラ達の部屋にわざわざカギ置きに行ったって事?なんで真由子は男子フロアに行けんのよ?」
私は徐々にいつもの頭に戻り始めた。
「それはクラス委員の特権でしょ?」
「特権じゃなくて職権乱用じゃん!」
私は隆太に噛み付いた。
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