ソレデモワタシハアナタヲアイス
「…サキ、おまえ何普通に服買ってんだよ?」
「…別に良いでしょ?安いんだから」
お土産屋さんでもない普通のショップで、沖縄らしさのカケラも無い普通のアウターをレジに持って行こうとしている美咲に、空人が待ったをかけた。
「まぁまぁ。お土産もだけどやっぱ自分の物も買いたいじゃん?」
これ以上、4人がバラバラになるのは避けたかった私は、機嫌の良い空人の方をなだめる事にした。
「ソラこそお土産買い過ぎじゃん?自分のちゃんと買ってんの?」
美咲は少し尖った口調になった。
「そうだよ空人。せっかくお小遣い持たせてくれてるんだから使わないと」
美咲にならって普通に買い物を済ませた隆太が美咲の味方についた。
「そういや買ってないかも。っていうか自分のとかって何買って良いか分かんねぇし」
空人はグルリと店内を見渡したけれど、結局、何も買わずにそのお店を後にした。
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