ソレデモワタシハアナタヲアイス
「だからサキが向こうに居てもメールも電話も出来るヤツに変えたんだって。まあ、料金バカ高いみたいだからそんなには出来ないけどさ」
自分の言動に少し恥ずかしくなって来た俺は、ポケットに携帯を戻した。
「…プレゼントって…ソレ…?」
正解を聞いたサキは気が抜けた顔をしている。
「そ、携帯自体は俺んだからサキに何かあげたワケじゃないし、ルールは一応、守ってるだろ?」
我ながら今回は良いアイディアを思い付いたと思う。
サキは何1つ「モノ」は受け取っていない。
俺があげた物は「繋がる」という「機能」だった。
「嬉しくないのかよ?」
俺はチラリとサキを横目でうかがった。
「ううん。有難う」
やっと和らいだサキの顔に、俺もついつい口元が緩んでしまう。
< 253 / 435 >

この作品をシェア

pagetop