ソレデモワタシハアナタヲアイス
まさに決定打。
本当に美咲は告られたらしい。
「何で断ったんだよ?」
もう何もかもが不思議で聞かずにはいられなかった。
「たまたま道端ですれ違った人と急に付き合える?知らない相手といきなり付き合えるわけないでしょ?」
美咲は顔色1つ変えずに、正答な理由を口にした。
「今日は何て言ってやっつけたの?」
隆太は明らかに面白がっていた。
「知らない人とは付き合えません。まさにその通りじゃん」
「さすが美咲。現場、見たかったし、俺」
その状況を想像したのか、隆太はクククッと笑いをこらえている。
「知らない人とか言われて傷付いたんじゃない?カワイソウ」
そう言いながらも真由子も小悪魔のように笑みを浮かべていた。
「真由子、どっちの味方?ほら、帰るよ」
美咲は少し不機嫌そうにカバンに手を伸ばした。
結局、この日の俺はいくら考えても、いくら想像しても『モテる美咲』『告られる美咲』にたどり着く事はなかった。
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