ソレデモワタシハアナタヲアイス
繰り返さなければならない台詞
空人が死んだ。
震えた声で、海人はそう言った。
「何?どういう事?」
部屋でくつろいでいた俺は、無意識に携帯を持つ手に力を込めた。
そんな事を急に言われても、何のリアクションも取れない。
海人は、警察から聞いたであろう状況を、絞り出すように口にした。
そして、美咲と連絡が取れないと続けた。
「海人、今病院?場所教えて」
質問には答えてくれるものの、海人の声は、あまりにも弱々しかった。
「必ず美咲の事、連れて行くから。海人はおばさんについてて」
約束をした俺は、海人との電話を切って、すぐに美咲の携帯を鳴らした。
―――なんで出ないんだよ…―――
続く呼び出し音に不本意ながらイラついてしまう。
一方的にメッセージを残される事を嫌う美咲の携帯は、留守番電話に切り替わる事もない。
俺は、何度かけても繋がらない美咲を一旦諦めて、相手を真由子に変えた。
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