ソレデモワタシハアナタヲアイス
結局、美咲と連絡がつかないまま、俺は、真由子の家に着いた。
「隆太ぁ、どうしよう…美咲、電話してもずっと出ないの…」
真由子は動揺を剥き出しにしたまま、車に乗り込んだ。
どうやら真由子も美咲に電話をかけていたらしい。
「とりあえず、美咲ん家、行ってみるから」
真由子は、唇を噛み締めながら、黙って頷いた。
俺達は美咲の家に着くまで、何1つ言葉を交わさなかった。
「はーい、どちら様ですか?」
インターフォンを鳴らすと美咲のお母さんの声が返って来た。
「遅くにすみません!真由子ですけど、美咲、居ますか?」
真由子は慌てた声でインターフォンに返事をした。
「マユちゃん?ちょっと待ってね」
数秒後、俺と真由子は玄関に招き入れられた。
「こんな時間に突然すみません。美咲、何回、電話しても出なくて…」
真由子は、動揺のせいか、いつもよりも早口だった。
「ごめんなさいね。美咲、さっきまでお風呂に入ってたから」
美咲のお母さんは、申し訳なさそうに微笑んでから、2階に居る美咲を呼んだ。
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