ソレデモワタシハアナタヲアイス
「真由子、俺、車に行ってるから美咲の用意させて連れて来て」
事態を分かっている以上、今ここで美咲に言う事は何もない。
俺は、少しでも早く美咲を空人の元に連れて行きたかった。
「すみません。お邪魔します」
俺に頷いてから、真由子は美咲のお母さんに一言告げて、美咲に駆け寄った。
「美咲、急いで着替えよう?隆太のお兄ちゃんが車、出してくれたから」
どこを見ているのか分からない美咲に寄り添って、真由子は階段を上がって行った。
「どうしたの?何かあった?」
2人が部屋に入ってから、美咲のお母さんが心配そうに俺を見つめた。
「友人が…事故で死んだと…さっき連絡があったんです…」
俺は、3回目の台詞を口にした。
「…友人って…もしかして…ソラくん…?」
さっきの美咲の様子と俺達の会話で想像がついたらしい。
俺は、黙って頷いた。
「そんな…まさか…」
美咲のお母さんは、声を震わせた。
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