ソレデモワタシハアナタヲアイス
するべき事
隆太の言う事が信じられなかった。
つい数時間前、空人は美咲といつも通りにじゃれていた。
―――なんで、美咲、出ないのよ…―――
隆太の言う通り、何度、電話をかけても美咲は出ない。
私は、震える手を自分で押さえながら、隆太の到着を待った。
「真由子!乗って!」
迎えに来た隆太は、見た事のない顔をしていた。
「隆太ぁ、どうしよう…美咲、電話してもずっと出ないの…」
しっかりしなきゃと思いつつも、目からは涙が溢れそうになる。
「とりあえず、美咲ん家、行ってみるから」
これ以上、泣かないでしゃべる自信がなかった私は、頷くので精一杯だった。
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