ソレデモワタシハアナタヲアイス
約束の行方
梅雨にも関わらず、空人の葬儀の日は、快晴に見舞われた。
俺達は青空の下、いつも緩く着ていた制服を初めてきちんと着て参列した。
「斉藤くんとは…」
マイクの前では、クラスの代表として、クラス委員の真由子が涙声になりながら別れの言葉を読み上げていた。
その性格から皆に好かれていた空人の葬儀には、クラスメイトだけではなく、男女問わず、バスケ部員も参列していた。
よく見ると卒業生も数人居る。
こんなにも天気が良くて、清々しい日だというのに、ここでは多くの人がすすり泣く声が充満していた。
俺は、隣に立つ美咲を横目で見た。
美咲は、泣き腫らしもしない目で、真っ直ぐに真由子を見つめていた。
あの夜、俺は初めて涙を流す美咲を見た。
けれど、その後の彼女は、俺と真由子の前で一切涙を見せなかった。
俺達に隠れてでも泣かなかったのかと疑う程に、その顔はいつもと何1つ変わらないキレイな表情をしていた。
よくドラマや映画で悲し過ぎて涙も出ないといった台詞を聞くけれど、まさに今の美咲はそうなのかもしれない。
俺はただ握った拳に力を入れる事しか出来なかった。
俺達は青空の下、いつも緩く着ていた制服を初めてきちんと着て参列した。
「斉藤くんとは…」
マイクの前では、クラスの代表として、クラス委員の真由子が涙声になりながら別れの言葉を読み上げていた。
その性格から皆に好かれていた空人の葬儀には、クラスメイトだけではなく、男女問わず、バスケ部員も参列していた。
よく見ると卒業生も数人居る。
こんなにも天気が良くて、清々しい日だというのに、ここでは多くの人がすすり泣く声が充満していた。
俺は、隣に立つ美咲を横目で見た。
美咲は、泣き腫らしもしない目で、真っ直ぐに真由子を見つめていた。
あの夜、俺は初めて涙を流す美咲を見た。
けれど、その後の彼女は、俺と真由子の前で一切涙を見せなかった。
俺達に隠れてでも泣かなかったのかと疑う程に、その顔はいつもと何1つ変わらないキレイな表情をしていた。
よくドラマや映画で悲し過ぎて涙も出ないといった台詞を聞くけれど、まさに今の美咲はそうなのかもしれない。
俺はただ握った拳に力を入れる事しか出来なかった。