ソレデモワタシハアナタヲアイス

「ねぇねぇ、真由子」
そんな２人のやり取りを見ていた私に、隆太が近付いて来た。
「何だか美咲様、ご機嫌じゃない？」
私のマネをして隆太も頬杖をついた。
「本当よね。最近よく笑うし、それだけじゃなくてしゃべるようにもなったよね。喜怒哀楽も出てるし」
「だよね。どうしたんだろうね？」
美咲の変化を私達は感じていた。
今までの美咲とは確実に違う。
良い方向に進んでいると思う。
「隆太！真由子！何か言ってやれって！」
課題が終わったのか、途中で諦めたのか、空人がこっちに向かって叫んで来た。
「どうしたの？」
隆太が面白そうにニヤつきながら聞いた。
「美咲、どうしようもないウソばっかつくんだぜ？ハーフとかクォーターとか海外育ちとか」
美咲は、まだ笑っている。