ソレデモワタシハアナタヲアイス
翌日、朝練に行ったものの、降り始めた雨のおかげでいつもより早く部室に戻った俺は、真由子からのメールに慌てて部室を飛び出した。
「真由子?今どこ?」
「駅出たとこ!学校、向かってるから!」
電話をかけると、真由子も慌てた様子だった。
「とりあえず、俺は学校捜すから」
真由子は、昨日のような弱気な声を一切出さずに電話を切った。
朝練の最中に受信していたメールには、今朝、真由子が美咲を迎えに行くと、美咲はすでに家を出た後だったと書かれていた。
変わった様子はなかったものの、美咲のお母さんも少し気にかけたらしい。
さっそく美咲を見失った真由子は、慌てて俺にメールをして、学校に向かったというわけだった。
―――さっそくやってくれるわけね―――
俺はまず、昇降口に向かう事にした。
―――学校には来てる、か―――
下駄箱には、美咲のローファーがあった。
俺は、走って学校に向かっているであろう真由子に、美咲は学校に居るらしいとメールを打った。
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