ソレデモワタシハアナタヲアイス
―――次は…―――
次に俺は、教室に向かった。
けれど、美咲は居なかった。
―――美咲が行きそうな所…―――
俺は、図書室に走った。
静まり返っていた図書室に飛び込んだ俺は、嫌でも注目を浴びてしまった。
―――ここでもない…―――
本棚の間も全て見たけれど、美咲の姿はどこにもなかった。
―――どこに居るん…―――
イラ立ち始めた俺の目に、ある物が映った。
―――もしかして…―――
俺は図書室を出て、廊下の突き当たりまで一気に走った。
そして、図書室の窓から見えた体育館にたどり着いた。
「美咲…」
俺はやっと、この目で美咲の姿を捉えた。
「あれ?隆太、おはよ」
美咲は、俺が捜し回っていたなんて事は、まったくもって予想もしていない顔で、バスケ部員にまざっていた。
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