ソレデモワタシハアナタヲアイス
10通以上は消しただろうか。
かなり久しぶりの名前が現れた。
小学校から高校卒業までずっと一緒だった真由子からだ。
【件名:美咲へ
本文:久しぶり!元気?大事な話しがあります。連絡ください。】
メールはこれだけだったけれど、よく携帯を見ると何度か着信履歴があった。
―――大事な話し…―――
大事な話しとやらを色々想像しているうちに、タクシーは自宅マンションの前に着いた。
駆け足でタクシーからマンションのエントランスに逃げ込む。
オートロックを解除して少し濡れた髪をなでながらエレベーターに乗った。
さすがにここでは雨音は聞こえない。
けれど、もうそんな事はどうでも良かった。
真由子のメールの方が気になる。
エレベーターを降り、部屋に向かいながら携帯を取り出して真由子の登録を探した。
久しぶりの相手に携帯を持つ手が少しとまどう。
―――嫌な知らせだったらどうしよう―――
今さらになって変な緊張が走った。
親友だと言っていたのに、最近、連絡を取っていなかったせいだろうか。
とりあえず、部屋に入って明かりを点けた。
一人暮らしの部屋は、少しだけ雨音を響かせて何となく肌寒かった。
もう24時近い。
ここでタイミングを逃したらきっとまた、なかなか連絡、出来なくなる。
私はカーテンを閉めながら覚悟を決めて真由子に電話をかけた。
「遅いよぉ~、美咲ぃ~。今帰り?」
1コールで変わらない真由子の声が聞こえた。
「ごめん、真由子。もしかして待ってた?」
なんとなく顔が緩くなるのが分かった。
「待ってたよぉ~。何回電話しても出ないんだもん」
この声のトーンからして悪い知らせではなさそうだ。
かなり久しぶりの名前が現れた。
小学校から高校卒業までずっと一緒だった真由子からだ。
【件名:美咲へ
本文:久しぶり!元気?大事な話しがあります。連絡ください。】
メールはこれだけだったけれど、よく携帯を見ると何度か着信履歴があった。
―――大事な話し…―――
大事な話しとやらを色々想像しているうちに、タクシーは自宅マンションの前に着いた。
駆け足でタクシーからマンションのエントランスに逃げ込む。
オートロックを解除して少し濡れた髪をなでながらエレベーターに乗った。
さすがにここでは雨音は聞こえない。
けれど、もうそんな事はどうでも良かった。
真由子のメールの方が気になる。
エレベーターを降り、部屋に向かいながら携帯を取り出して真由子の登録を探した。
久しぶりの相手に携帯を持つ手が少しとまどう。
―――嫌な知らせだったらどうしよう―――
今さらになって変な緊張が走った。
親友だと言っていたのに、最近、連絡を取っていなかったせいだろうか。
とりあえず、部屋に入って明かりを点けた。
一人暮らしの部屋は、少しだけ雨音を響かせて何となく肌寒かった。
もう24時近い。
ここでタイミングを逃したらきっとまた、なかなか連絡、出来なくなる。
私はカーテンを閉めながら覚悟を決めて真由子に電話をかけた。
「遅いよぉ~、美咲ぃ~。今帰り?」
1コールで変わらない真由子の声が聞こえた。
「ごめん、真由子。もしかして待ってた?」
なんとなく顔が緩くなるのが分かった。
「待ってたよぉ~。何回電話しても出ないんだもん」
この声のトーンからして悪い知らせではなさそうだ。