ソレデモワタシハアナタヲアイス
「あれ?でも海外育ちは本当じゃなかったっけ?小学校入るまで向こうに住んでたって言ってたよね?確か」
テンションが上がりきっている空人に、私は水をさすように真実を告げた。
「え?それは本当の話しなん?」
予想外の真実に空人は振り返って美咲に確認した。
「だからそう言ってんじゃん?」
美咲の表情はそのままだった。
「んだよ、おまえの言う事、どっからが本当なのか分かんねぇよ」
空人は頭を抱えて悔しがった。
「続きやったら?時間なくなるよ?」
美咲は教室の時計をアゴで指した。
どうも課題はまだ終わっていないらしい。
空人は慌てて再びテキストに噛り付いた。
「空人が原因じゃないかな?」
急に話しを戻した私に、隆太が何が?と返して来た。
「さっきの話。美咲が変わったのって空人のおかげかなって」
教える美咲、教わる空人を見ながら、私は続けた。
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