ソレデモワタシハアナタヲアイス
小さな記憶
「本当にヒドイよねぇ~。なんで私に一言も相談しないで東京に行ったりするのかしら?」
何杯グラスを空けたのか、真由子は確実に酔っていた。
「だからごめんって。急に進路変えたから誰にも相談する時間無かったんだって」
私は、真由子の手から空になったグラスを奪いながらウソをついた。
「それに決めたのギリだったし」
これは本当だった。
クリスマスの夜に、ソラに聞かれた私は、正直に答えが出ていないと言っている。
「それにしても、何の為にわざわざ東京の大学なんて行っちゃったの?こっちの国立だって良かったじゃん?別に美咲の得意な写真もバスケも強い学校だったワケじゃないし」
そうだ。
私は、ソラにあんな相談をしておきながら、結局、最初に調べていた写真の有名な大学ではなく、まったく別の大学に入っていた。
そこが、真由子を一層、不機嫌にさせていたらしい。
5年経った今でもまだ、根に持っているようだった。
「真由子、大丈夫?飲み過ぎじゃない?」
隆太が真由子の前に水の入ったグラスを置いた。
「何よ?隆太は悔しくないの?私はあの時、ショックでショックで美咲なんかもう知らないってくらい怒ってたんだから」
真由子が焦点の合わない目で睨んで来た。
「ごめんって。本当に反省してるから許してよ?ほら、お水飲んで」
私は、隆太が置いたグラスを真由子に差し出した。
何杯グラスを空けたのか、真由子は確実に酔っていた。
「だからごめんって。急に進路変えたから誰にも相談する時間無かったんだって」
私は、真由子の手から空になったグラスを奪いながらウソをついた。
「それに決めたのギリだったし」
これは本当だった。
クリスマスの夜に、ソラに聞かれた私は、正直に答えが出ていないと言っている。
「それにしても、何の為にわざわざ東京の大学なんて行っちゃったの?こっちの国立だって良かったじゃん?別に美咲の得意な写真もバスケも強い学校だったワケじゃないし」
そうだ。
私は、ソラにあんな相談をしておきながら、結局、最初に調べていた写真の有名な大学ではなく、まったく別の大学に入っていた。
そこが、真由子を一層、不機嫌にさせていたらしい。
5年経った今でもまだ、根に持っているようだった。
「真由子、大丈夫?飲み過ぎじゃない?」
隆太が真由子の前に水の入ったグラスを置いた。
「何よ?隆太は悔しくないの?私はあの時、ショックでショックで美咲なんかもう知らないってくらい怒ってたんだから」
真由子が焦点の合わない目で睨んで来た。
「ごめんって。本当に反省してるから許してよ?ほら、お水飲んで」
私は、隆太が置いたグラスを真由子に差し出した。