ソレデモワタシハアナタヲアイス
「今日、来てもらったのはね、美咲ちゃんに見てもらいたいものがあったからなの」
そう言うと、ソラのお母さんは小さなギフトバッグをテーブルの上に置いた。
「空人の部屋、片付けてたら出て来たの。中身、分からなかったから1回開けちゃったんだけど…美咲ちゃん、開けてみてくれる?」
私は戸惑った。
ソラのお母さんが、私に何を見せようとしているのかが、分からなかった。
「美咲さん、開けてみてよ」
そんな私に、海人くんが大丈夫だよといった顔をした。
「じゃ…」
私は、一度開けられた跡のあるギフトバッグを開けた。
中から出て来た物は、キレイにラッピングされた白い箱だった。
私は箱を手にして、向かいの2人の様子をうかがった。
2人は、何も言わずに頷いた。
私は、見られているという緊張感の中、そっと箱を開けた。
「ッ…」
私は息を飲んだ。
無条件に目が潤んでしまう。
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