ソレデモワタシハアナタヲアイス
「いらっしゃい、美咲ちゃん」
ソラのお母さんが笑顔で迎えてくれた。
「お久しぶりです」
軽く挨拶をしてから靴を脱いだ私は、そのまま和室に通された。
お線香を立てて仏壇の前で手を合わせる。
そしてユラユラと上るお線香の煙を見つめた。
「美咲さん、お久しぶりです」
1年見ない間に、また顔立ちが変わった海人くんが顔を出した。
「久しぶり。今日も仕事休んだの?」
海人くんは、美咲さんもわざわざ休んで来たんでしょうと笑った。
「これ…少しですけど…」
リビングに移った私は、東京土産のお菓子を差し出した。
「なんか毎年毎年いただいて悪いわ。あんまり気を遣わないでね」
ソラのお母さんは、申し訳なさそうな顔をした。
「美咲さん、今日こっちに来たんですか?」
海人くんが、ソラに近い声を出した。
「うん。で、明日帰る。ってその前に今夜クラス会だけどね」
私は、出されたお茶に口を付けた。
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