ソレデモワタシハアナタヲアイス
「あら、そうなの?じゃ、海人」
ソラのお母さんは、海人くんを促した。
「うん。美咲さん、どうぞ」
海人くんは、立ち上がってリビングを出た。
「いつもすみません。失礼します」
私も立ち上がって海人くんの後を追った。
「美咲さんが来ると思って、昨日気合い入れて掃除しちゃいましたよ」
階段を上りながら、海人くんは振り返った。
「ごめんね、毎年」
謝る私に、海人くんは気にしないで下さいと笑った。
「どうぞ」
私は、海人くんの部屋に通された。
「有難う」
私は、部屋を見回した。
「じゃ、俺、下に居るんで。好きなだけ居て下さい」
海人くんは、私一人を部屋に残してドアを閉めた。
< 318 / 435 >

この作品をシェア

pagetop