ソレデモワタシハアナタヲアイス
―――相変わらずキレイにしてるなぁ…―――
私は深呼吸をした。
もうここには、ソラの匂いはない。
今、私が居る海人くんの部屋は、かつてソラの部屋だった。
死んだ人の部屋をそのままにしておくと、死んだ事に気付かず成仏出来ないという話しを聞いたソラの家族は、思い切って、ソラの部屋を海人くんの部屋に変えた。
ソラの部屋にあった物は、物置となった別の部屋に移され、今も残されている。
私が受け取らなければ、きっとこの指輪とピアスもその物置に置かれていたのだと思う。
今、この部屋には、あの頃置かれていた物は1つもない。
けれど、私は毎年、ソラが使っていた今の海人くんの部屋に入れてもらっていた。
―――「サキ」―――
ソラの声を思い出す。
物覚えが良い私の頭でも、記憶は確実に劣化していた。
―――もう涙…出ないや…―――
私は、足を伸ばして床に座った。
そして、私の中に残るソラをひたすら掘り返した。
これが、この日の私の過ごし方だった。
私は深呼吸をした。
もうここには、ソラの匂いはない。
今、私が居る海人くんの部屋は、かつてソラの部屋だった。
死んだ人の部屋をそのままにしておくと、死んだ事に気付かず成仏出来ないという話しを聞いたソラの家族は、思い切って、ソラの部屋を海人くんの部屋に変えた。
ソラの部屋にあった物は、物置となった別の部屋に移され、今も残されている。
私が受け取らなければ、きっとこの指輪とピアスもその物置に置かれていたのだと思う。
今、この部屋には、あの頃置かれていた物は1つもない。
けれど、私は毎年、ソラが使っていた今の海人くんの部屋に入れてもらっていた。
―――「サキ」―――
ソラの声を思い出す。
物覚えが良い私の頭でも、記憶は確実に劣化していた。
―――もう涙…出ないや…―――
私は、足を伸ばして床に座った。
そして、私の中に残るソラをひたすら掘り返した。
これが、この日の私の過ごし方だった。