ソレデモワタシハアナタヲアイス
「美咲!カメラカメラ!皆で撮るぞ!」
先生が手招きした。
「はぁーい」
私は、返事をしてデジカメを出した。
「ほら、真由子、行くよ。隆太も」
私は、隆太と2人でグダグダになっている真由子を引っ張り出した。
「皆!集合集合!」
先生の呼び声にかつてのクラスメイトが集まった。
「ここ押すだけです」
私は、お店のスタッフにデジカメを渡した。
「もう少し寄ってもらえますか?」
デジカメを持ったスタッフの指示に従って、私達は寄り添った。
「そのままでお願いします」
微妙な体勢を取りながらも、皆はデジカメに笑顔を向けた。
あの頃と何も変わっていないように見えても、私達は確実に変化していた。
望んだところで、何1つ変わらないでいられるワケではない。
だから私は、あの時、別の方法にすがる事にした。
例えそれが間違っていたとしても、もう止まる事は出来なかった。
「じゃ、撮りまーす。せーの」
フラッシュに合わせてシャッター音が鳴った。
私は、またソラの居ない世界で「美咲」が生きている証拠を残した。
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