ソレデモワタシハアナタヲアイス
「美咲、クリスマス、仕事の後に食事にでも行く?」
静かに立ち止まった美咲は、魂の抜けた顔で振り向いた。
「何?気、遣ってんの?」
その目は、冷たく澄んでいた。
「ううん。俺が1人で居るの嫌だから付き合ってくれないかなって」
俺は、美咲の目に映る為に笑った。
「…良いよ。隆太のおごりね」
美咲は、少しだけ笑い返して、また歩き出した。
俺は、再会してから初めて、美咲と次に会う約束をした。
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