ソレデモワタシハアナタヲアイス
「休憩時間だから平気だよ。それよりここ天国じゃん。図書室ってエアコンあったんだ?」
俺は上半身を窓から図書室に突き出して、エアコンからとめどなく排出される冷気を浴びた。
「ところでさっきから人の事シカトしまくりのあそこのお嬢さんは熱心に何を読んでるのかしら?」
俺の視線の先に居る美咲は、案の定、こっちを見る気配がない。
「写真だよ。今日はずっと魚見てる」
意外な事実に少し疑う気持ちもあったけれど、真由子が言う事だ、きっと本当の事なんだと割りとすんなり納得してみた。
「ふぅ~ん。写真ねぇ~」
「美咲、写真見るのも撮るのも好きなんだよ。いつもデジカメ持ち歩いてるし。たまに一緒に写真展に行ったりもするんだよ」
自分の事のように真由子は自慢げに言った。
「へぇ~。人間分かんないもんだな。美咲にも興味持てる事あったんだ?」
俺の放った言葉に真由子が笑い出したのと美咲がこっちを向いたのが同時だった。
「何コソコソ人の事話してんの?エアコン利かないでしょ?」
美咲の言葉は相変わらず冷たいエアコン並みだった。
「はいはい、今閉めますよ」
美咲は一言だけを言う為に目を合わせたのか、またすぐに魚の写真とやらに視線を戻した。
「じゃ、真由子、あとで」
俺は軽く息を吐いて真由子に一言告げてから窓を閉めた。
真由子はいつも通りのニコニコ笑顔で、じゃあね、と手を振ってくれた。
こんなに一緒に居るのになんであの2人はこうも性格が違うんだろう。
真由子の笑顔と社交性が、もう少しでも美咲に移ってくれたって良いと思う。
―――でも急に美咲が真由子みたいになったら…―――
練習に戻った俺は、ボールを追いかけながら真由子のような美咲の姿を描いてみた。
けれど、ありえないキャラクターの登場に即座に思考回路を封鎖してボールを追う事に集中した。
俺は上半身を窓から図書室に突き出して、エアコンからとめどなく排出される冷気を浴びた。
「ところでさっきから人の事シカトしまくりのあそこのお嬢さんは熱心に何を読んでるのかしら?」
俺の視線の先に居る美咲は、案の定、こっちを見る気配がない。
「写真だよ。今日はずっと魚見てる」
意外な事実に少し疑う気持ちもあったけれど、真由子が言う事だ、きっと本当の事なんだと割りとすんなり納得してみた。
「ふぅ~ん。写真ねぇ~」
「美咲、写真見るのも撮るのも好きなんだよ。いつもデジカメ持ち歩いてるし。たまに一緒に写真展に行ったりもするんだよ」
自分の事のように真由子は自慢げに言った。
「へぇ~。人間分かんないもんだな。美咲にも興味持てる事あったんだ?」
俺の放った言葉に真由子が笑い出したのと美咲がこっちを向いたのが同時だった。
「何コソコソ人の事話してんの?エアコン利かないでしょ?」
美咲の言葉は相変わらず冷たいエアコン並みだった。
「はいはい、今閉めますよ」
美咲は一言だけを言う為に目を合わせたのか、またすぐに魚の写真とやらに視線を戻した。
「じゃ、真由子、あとで」
俺は軽く息を吐いて真由子に一言告げてから窓を閉めた。
真由子はいつも通りのニコニコ笑顔で、じゃあね、と手を振ってくれた。
こんなに一緒に居るのになんであの2人はこうも性格が違うんだろう。
真由子の笑顔と社交性が、もう少しでも美咲に移ってくれたって良いと思う。
―――でも急に美咲が真由子みたいになったら…―――
練習に戻った俺は、ボールを追いかけながら真由子のような美咲の姿を描いてみた。
けれど、ありえないキャラクターの登場に即座に思考回路を封鎖してボールを追う事に集中した。