ソレデモワタシハアナタヲアイス
「ねぇ、隆太。ソラの話しして」
突然、美咲が立ち止まった。
「どんな話しが良い?」
俺も美咲との距離を保ったまま足を止めた。
「なんでも良いよ。記憶って思い出さなくなると忘れるらしいから」
振り返った美咲は、辛そうに笑っていた。
「美咲」
俺は、静かに美咲に近付いた。
「俺と付き合わない?」
俺は、俺を見上げる美咲をただ見つめた。
「私、カレシ居るよ?」
美咲の目は、真っ直ぐ俺の目を見返していた。
「知ってる。年下のフリーターでしょ?」
俺も負けずに美咲を見返した。
「それはとっくに別れてる。今はタメのバーテン」
美咲には、全く隙が無かった。
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