ソレデモワタシハアナタヲアイス
「隆太、私が好きなの?」
美咲は、少しの動揺も見せずに、俺を観察しているようだった。
「うん」
美咲の視線が、全身に刺さって痛い。
けれど、俺は美咲のその目から逃げようとは思わなかった。
「俺が美咲の隣で空人の話しをするよ」
一瞬、美咲の目の色が変わった。
「俺ならそれが出来るからね」
これが、俺の切り札だった。
美咲は、何かを考えていたのか、少しの間、俺を黙って見つめてから携帯を取り出して、どこかにかけた。
「もしもし、カレシ出来たから今すぐ別れて。じゃあね」
美咲は、それだけを言って電話を切った。
「…今のカレシ…?」
さすがに、この展開にはとうとう俺の方が引き下がってしまった。
「別れたからもう元カレ」
美咲は、アッケラカンと言い放った。
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