ソレデモワタシハアナタヲアイス
「良いの?…あんな一方的に…」
自分から言い出しておきながら、何故か俺が相手に同情してしまう。
「ああ、留守電だったから」
「いや、そうじゃなくて…」
言葉を失った俺にかまう事なく、美咲はまた歩き出した。
「アイツと付き合った時も前のカレシと同じようにして別れたから大丈夫でしょ?」
美咲の口から出たとは考えられない台詞だった。
―――つまり俺もいずれ同じ目に遭うって事ね…―――
俺は、前にあった美咲の元カレだという市原さんの言葉を思い出した。
知り合ったばかりの他人に言われた俺の知らない美咲は、到底、信じられるような人物ではなかった。
けれど今、美咲は俺の目の前で、それが真実だとアッサリ証拠を見せてしまった。
「それより隆太」
なんとか今の美咲を理解しようと、頭をフル回転させている俺に、美咲がまた振り返った。
「今日、隆太ん家、泊まって良い?」
美咲は笑っていた。
それが、俺の知っている美咲の笑顔なのかは、分からなかったけれど、美咲は俺に笑顔を向けていた。
「良いよ」
その夜、俺が長い間、想い続けた美咲は、初めて俺の腕の中で寝息をたてた。
自分から言い出しておきながら、何故か俺が相手に同情してしまう。
「ああ、留守電だったから」
「いや、そうじゃなくて…」
言葉を失った俺にかまう事なく、美咲はまた歩き出した。
「アイツと付き合った時も前のカレシと同じようにして別れたから大丈夫でしょ?」
美咲の口から出たとは考えられない台詞だった。
―――つまり俺もいずれ同じ目に遭うって事ね…―――
俺は、前にあった美咲の元カレだという市原さんの言葉を思い出した。
知り合ったばかりの他人に言われた俺の知らない美咲は、到底、信じられるような人物ではなかった。
けれど今、美咲は俺の目の前で、それが真実だとアッサリ証拠を見せてしまった。
「それより隆太」
なんとか今の美咲を理解しようと、頭をフル回転させている俺に、美咲がまた振り返った。
「今日、隆太ん家、泊まって良い?」
美咲は笑っていた。
それが、俺の知っている美咲の笑顔なのかは、分からなかったけれど、美咲は俺に笑顔を向けていた。
「良いよ」
その夜、俺が長い間、想い続けた美咲は、初めて俺の腕の中で寝息をたてた。