ソレデモワタシハアナタヲアイス
それから俺は、真由子という存在を良い事に、いつも美咲の傍に居た。
そして、これからも美咲の隣に居続けるには、普通にしているだけではいけないと気付いた。
俺は、美咲と一緒に居ても誰にも文句を言われる事がない、つり合う人間になろうと心に決めた。
その結果、中学に入学してからしばらくして、1位の美咲、2位の真由子、3位の俺、という形が定着した。
俺は、他の男の誰もが居座れなかったポジションを手に入れた。
けれど、美咲が俺の想いに気付く事はなかった。
もちろん、俺も美咲に伝えようとした事はない。
俺には、美咲の1番近くに居る男友達という今の自分のポジションを壊すなんて事は出来なかった。
それに万が一、美咲が振り向いてくれたとしても、あの頃の俺では確実に力不足だった。
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