ソレデモワタシハアナタヲアイス
「へぇ、弟、居たんだ?」
ケイコと会ったのは、中学3年生の夏だった。
アニキが家に連れて来た大学の友人の中にケイコが居た。
外見は美咲に負けるにしても、中学生から見た大学生というのは、違う世界の生き物かと思う程、大人だった。
「隆太くん、あの頭良い高校に決まったんだって?私、頭良い子、好きよ」
ケイコは、化粧で上手く整えた顔で、いつもからかうように俺を見ていた。
「じゃ、俺と付き合ってみます?」
俺は、ケイコを利用した。
美咲以上にケイコを好きになる事は無いと分かっていながら、俺は自分の為にケイコとの付き合いを始めた。
案の定、俺にカノジョが出来たと聞いても、美咲の顔色は変わらなかった。
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