ソレデモワタシハアナタヲアイス
数時間後、俺の前に再び現れたのは、もちろんさっき図書室で会った時と何も変わらない本郷美咲だった。
「よく1日中走ってられるね。しかもこの暑さの中」
やっぱり美咲はコレだ。
初めて見た私服姿に若干だけれど見とれた事は認めるとして、そのキレイな容姿からは予想外の性格が遠慮する事なく現れる。
「美咲はちょっと太陽浴びた方が良いんじゃない?うちのマネージャーとかどう?」
部活を終えた隆太も合流して、夏休みが始まって以来、初めて4人が揃った。
「嫌。なんで私が知らない人達の世話しなきゃなんないの?」
まったくもって美咲が発するのに相応しい理由だった。
「だよね。それにしても学校無い日に会うのって高校入ってから初めてじゃない?久しぶりに2人の私服見たし」
隆太は美咲と真由子を上から下へ、下から上へと見た。
「でしょ?だから張り切って今日の為に美咲と服買いに行っちゃったもん。似合うでしょ?」
真由子はフワッと1回転してみせた。
「うん。カワイイカワイイ。美咲もキレイだし。2人共、似合ってるよ」
隆太は時々こんな台詞をサラッと言うヤツだった。
「美咲、普段着こんなん?」
服に対しても無頓着そうな美咲が、どこかの令嬢のようにこんなにも清楚な格好をしているのが、俺のイメージとどうも合わなかった。
< 35 / 435 >

この作品をシェア

pagetop