ソレデモワタシハアナタヲアイス

理由を教えて

「…今、なんて言った…？」
真由子は目を見開いたまま固まった。
「…俺達…付き合ってる…」
「隆太には聞いてない！」
何故か正座をして苦い顔をしているリュウに、真由子は容赦なく言葉を被せた。
「美咲、本当なの？」
リュウにならって何故か正座をしてしまっている私に、真由子は救いを求めるような目をした。
「…本当…です…」
別に悪い事をしたわけではないのに、ついつい真由子から目をそらしてしまう。
地元に到着した私達は、一旦それぞれの実家に行ってお互いの事を家族に話した。
私の親もリュウの親も、知らない間柄ではないので、私達の事について、とやかく言う事はなかった。
そして今、私達は最大の敵、真由子に挑んでいた。
「何それ？休みが合ったから一緒にこっち帰って来るとか言って、実はそういう事？ふぅーん、へぇー、ほぉー」
真由子は、細めた目で私とリュウの顔を交互に眺めた。