ソレデモワタシハアナタヲアイス
「真由子!」
突然、後ろから今別れを告げたばかりの声が聞こえた。
美咲が、私の名前を呼んだのは、これが初めてかもしれない。
「笑ってなよ?笑顔は最強の武器なんだから」
振り返ると、上半身だけ振り返った美咲が笑っていた。
「あと…」
見た事のない笑顔に度肝を抜かれた私に、美咲はさらに続けた。
「『美咲ちゃん』ってやめない?ちゃん付けってなんか恥ずかしいし…」
続けて表れた美咲の照れた顔に、私はすっかり魅了されてしまった。
―――美咲ちゃんってただの人付き合いベタ?―――
この日から、私達は親友になった。
あの時、美咲が居てくれたから、私は今も笑っていられる。
だから私は、何よりも美咲の味方で居たかった。
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