ソレデモワタシハアナタヲアイス
「先にお風呂だね。お湯入れるから」
部屋に着いた俺は、足早にお風呂場に向かって蛇口をひねった。
白い湯気を引き連れたお湯が、ゆっくりと湯船を満たしていく。
「すぐに溜まるから。あと適当に止めて入ってて。着替えは俺ので良いよね?」
足音もなく、俺の後ろをついて脱衣所に来た美咲に、俺は心の内を悟られないよう必死に笑ってみせた。
けれど、どこかを見つめている美咲は、人形のように目も口も動かさなかった。
「美咲、ご飯まだでしょ?俺、食べて来たからなんか買って来る…」
温まり始めたお風呂場の空気から逃げるように、俺は美咲の横を通って脱衣所から出ようとした。
けれど、美咲の冷たい手が、俺の腕を掴んで止めた。
「どこ行くの?」
俺を見上げる美咲の目が、涙で溢れそうになっている。
俺は、自分の服が濡れるのもかまわずに、美咲を抱きしめた。
「リビングに居るから何かあったら呼んで」
美咲の体の冷たさが容赦なく俺の体温を奪っていく。
美咲は、少しの間そのまま俺にしがみついていたけれど、落ち着いたのか、そっと手を離して入るねと笑った。
部屋に着いた俺は、足早にお風呂場に向かって蛇口をひねった。
白い湯気を引き連れたお湯が、ゆっくりと湯船を満たしていく。
「すぐに溜まるから。あと適当に止めて入ってて。着替えは俺ので良いよね?」
足音もなく、俺の後ろをついて脱衣所に来た美咲に、俺は心の内を悟られないよう必死に笑ってみせた。
けれど、どこかを見つめている美咲は、人形のように目も口も動かさなかった。
「美咲、ご飯まだでしょ?俺、食べて来たからなんか買って来る…」
温まり始めたお風呂場の空気から逃げるように、俺は美咲の横を通って脱衣所から出ようとした。
けれど、美咲の冷たい手が、俺の腕を掴んで止めた。
「どこ行くの?」
俺を見上げる美咲の目が、涙で溢れそうになっている。
俺は、自分の服が濡れるのもかまわずに、美咲を抱きしめた。
「リビングに居るから何かあったら呼んで」
美咲の体の冷たさが容赦なく俺の体温を奪っていく。
美咲は、少しの間そのまま俺にしがみついていたけれど、落ち着いたのか、そっと手を離して入るねと笑った。