ソレデモワタシハアナタヲアイス
「高橋!俺もこっちまぜろよ!」
別な場所でレジャーシートを広げていた友人達を引き連れて、佐藤が駆け寄って来た。
「はじめまして。高橋と同じ部署の佐藤です」
さっきまでの口調も声色も見事に変えた佐藤が、爽やかに笑った。
「あ、こっちはただの腐れ縁の友達なんで気にしないでください」
ズルズルと引きずられて来た友人達を、佐藤は紹介もしないで流した。
「あ、本郷です」
美咲は、レジャーシートから立ち上がって佐藤に軽く頭を下げた。
「佐々木真由子です」
真由子は日傘の影から少しだけ顔を覗かせて、得意の笑顔を披露した。
「高橋さん!私もまざって良いですか?」
休む間もなく、今度は相沢さんが佐藤と同じように友人を連れて駆け寄って来た。
「今年も暑いですね。気を付けないと熱射病に…」
そして、今まで気付かなかったのか、美咲と真由子の存在を目に映して固まった。
「高橋さんもお友達連れて来たんですか?」
相沢さんは、作った笑顔を少し引きつらせながら、俺を見た。
「うん。こっちがカノジョの美咲で、こっちが友達の真由子」
俺は、ためらう事なく相沢さんに2人を紹介した。
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