ソレデモワタシハアナタヲアイス
「じゃ、中学からずっと付き合ってんの?」
何故か感心したような声を出す佐藤に、俺は一瞬、返事が出来なかった。
「いや、学生の頃はただの友達だったよ。付き合い始めたのは去年の冬かな?」
俺達の過去を知らない佐藤には、何の悪気もない。
俺は、いつも通りに普通に流そうと笑ってみせた。
「えぇ~!あんな美人とただのお友達って無理じゃん!俺なら絶対無理!」
佐藤のリアクションは、時々、誰かを思い出させる所がある。
それも、俺が勝手にそう思っているだけで、佐藤のせいでは決してなかった。
「無理って言われてもあの頃は美咲にはカレシが居たから俺がどうこうは関係無かったの。ついでにそのカレシは俺の親友だったし」
このネタを話すのは得意ではないけれど、俺は、隠さずに話した。
「『親友だった』って過去形じゃん?まさかあのカノジョ取り合って友情より愛情取ったとか?」
佐藤は、変なところだけをしっかりと拾い上げて、憎たらしく笑った。
―――取り合いね…―――
俺は、空人を思い出した。
―――もし俺と美咲が先に付き合ってたら空人はどうしたんだろ?―――
炎天下のせいか、自分らしくない事がついつい頭をよぎる。
何故か感心したような声を出す佐藤に、俺は一瞬、返事が出来なかった。
「いや、学生の頃はただの友達だったよ。付き合い始めたのは去年の冬かな?」
俺達の過去を知らない佐藤には、何の悪気もない。
俺は、いつも通りに普通に流そうと笑ってみせた。
「えぇ~!あんな美人とただのお友達って無理じゃん!俺なら絶対無理!」
佐藤のリアクションは、時々、誰かを思い出させる所がある。
それも、俺が勝手にそう思っているだけで、佐藤のせいでは決してなかった。
「無理って言われてもあの頃は美咲にはカレシが居たから俺がどうこうは関係無かったの。ついでにそのカレシは俺の親友だったし」
このネタを話すのは得意ではないけれど、俺は、隠さずに話した。
「『親友だった』って過去形じゃん?まさかあのカノジョ取り合って友情より愛情取ったとか?」
佐藤は、変なところだけをしっかりと拾い上げて、憎たらしく笑った。
―――取り合いね…―――
俺は、空人を思い出した。
―――もし俺と美咲が先に付き合ってたら空人はどうしたんだろ?―――
炎天下のせいか、自分らしくない事がついつい頭をよぎる。