ソレデモワタシハアナタヲアイス
「おいおい、マジかよ?急に真面目な顔して黙んなって」
俺のリアクションが無いせいで慌てた佐藤が、フォローに回った。
「あ、ごめん。っていうか別に取り合いとかはしてないよ。俺、争い事嫌いだし」
俺は、少しボーッとなった頭の中を一気にキレイにした。
「なんだよ、ビックリするだろ?」
佐藤は、やっと俺のリアクションを見て、ホッとした様子だった。
「本当は取り合いも出来なかったんだよ。死んだから」
「え?…」
突然の暗い話しに顔色を変えた佐藤にかまう事なく、長い1日の1試合目が始められた。
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