ソレデモワタシハアナタヲアイス
「ちょっ!おまえ何、急に人の事撮ってんだよ!消せ!今すぐ消せ!」
やっと状況を飲み込んだ俺は、美咲からデジカメを奪い取ろうとしたけれど、アッサリかわされてしまった。
「やーよ。私、一度シャッターきったものは消さない主義なの」
勝ち誇った表情をしてから、美咲はデジカメをバッグにしまった。
俺の事なんてお構いなしにもう普通に花火を見ている。
「ああ!もう!なんなんだよ!」
不意打ちで撮られた写真を消す術を失った俺は、悔しさから叫んでいた。
すると美咲は空を見上げた姿勢のまま、静かに頭だけを少し横に傾けて俺を見た。
笑っていた。
いつものイヤミな感じではなく、自然に笑っているように見えた。
そういえば、さっき俺を撮った時の美咲もこんな顔をしていたような気がする。
斜めになった美咲の顔が花火に染まって、俺は少しの間、美咲を見つめたまま言葉を失っていた。
「お待たせ!」
やっと帰って来た真由子の声に、俺はハッと我に帰った。
やっと状況を飲み込んだ俺は、美咲からデジカメを奪い取ろうとしたけれど、アッサリかわされてしまった。
「やーよ。私、一度シャッターきったものは消さない主義なの」
勝ち誇った表情をしてから、美咲はデジカメをバッグにしまった。
俺の事なんてお構いなしにもう普通に花火を見ている。
「ああ!もう!なんなんだよ!」
不意打ちで撮られた写真を消す術を失った俺は、悔しさから叫んでいた。
すると美咲は空を見上げた姿勢のまま、静かに頭だけを少し横に傾けて俺を見た。
笑っていた。
いつものイヤミな感じではなく、自然に笑っているように見えた。
そういえば、さっき俺を撮った時の美咲もこんな顔をしていたような気がする。
斜めになった美咲の顔が花火に染まって、俺は少しの間、美咲を見つめたまま言葉を失っていた。
「お待たせ!」
やっと帰って来た真由子の声に、俺はハッと我に帰った。