ソレデモワタシハアナタヲアイス
並んだ2色
「何ちゃっかり旅行になんて行ってんのよ?」
携帯越しに久しぶりに聞く真由子の声は、いつもと変わりはなかった。
「こんなにわざわざお土産なんて良かったのに。大物で届くから家族皆でビックリしたんだから。でも有難くいただくわ。有難う。隆太にも言っといて」
こうやって時々しか接点がないのに、真由子の素直さに変わりが無いと、なんだか安心する。
「うん。言っとくよ。あとPCの方に写真送っておくから。やっぱり沖縄は何もかもが凄いわ。テンション上がりっぱなし」
私は、行って来たばかりの沖縄を思い出して、無意識に声のトーンを上げた。
「あ、じゃ、あとでゆっくり見とくね。美咲の写真の腕前もきっと上がってるはずだし?」
真由子がイヤミたらしく言って見せた。
「あはは、何それ?あぁ~でもやっぱり疲れたなぁ~。帰って来た次の日、普通に仕事だったからけっこうしんどかったし。たぶんリュウもキツかったと思うよ」
仕事人間な私達は、旅行から帰って来た翌日も、もちろん休む事も気を抜く事もなく、しっかり稼ぎに行っていた。
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