ソレデモワタシハアナタヲアイス
―――さ、どうしようかな?―――
美咲にデートを断られた当日、特に用事の無い俺は、昼前に目覚めてカーテンを開けた。
―――雨だ―――
美咲と付き合ってから迎える2回目の梅雨だった。
―――こんな雨の日に大丈夫なのかな?ってヤバかったらココに来るよね―――
俺は、もちかしたら美咲が来るかも知れないという予想を抱いて、今日は1日中、家に居る事にした。
―――掃除でもしようかな―――
そんなに散らかしているわけではないけれど、そろそろ色々な物が溜まって来ている。
俺は、手始めに古い雑誌をまとめだした。
今だに好きで続けているサッカーのせいで、この手の雑誌は、なんとなく毎号買っていた。
もう何年経つのか、学生の頃から買い続けているせいで、止め時が正直分からなくなっていた。
本当に読みたいのかどうかも分からないまま、こうして部屋のスペースを少なからず占領している雑誌を捨てるのに、俺にはなんのためらいもなかった。 
< 402 / 435 >

この作品をシェア

pagetop