ソレデモワタシハアナタヲアイス
真相と誓い
「隆太…」
面会だと呼ばれて通された狭い部屋で、透明の板越しに待っていた真由子が、かすれた声を出した。
「誰かと思ったら真由子じゃん。良いの?こんな所に来て犯罪者と会ってて」
わざわざ刑務所にまで会いに来てくれた真由子に、俺は得意の笑顔を作って、向かいに座った。
「犯罪者の前に、隆太は友達でしょ?」
真由子は、溜め息まじりに苦笑した。
「親友を殺した人間でも、まだ友達って言えるの?」
俺は、挑発的な目で真由子を見た。
「隆太と私は幼稚園からの友達。それは変わんないでしょ?」
そう言いつつも真由子の目は、決して俺を許してはいなかった。
けれど、真由子にこんな目をさせてしまっているのは俺だった。
俺が美咲を殺したからだ。
あの夜、俺は美咲の首に手をかけて、美咲を殺してしまった。
これは、事実以外の何ものでもない。
美咲の死体を見ているうちに、我に返った俺は、自分のした事の恐ろしさに気付いた。
そして自ら警察に連絡をして、隠す事なく全てを話した。
もちろん俺は有罪の判決を下され、人殺しとして、この塀の中で暮らしている。
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