ソレデモワタシハアナタヲアイス

「美咲が隆太に本気だったのは、私が保証するよ」
涙が止まらない俺に、真由子が明るい声を出した。
「美咲、隆太と付き合う前はコロコロ男替えてたじゃない？でも隆太と付き合ってからは、告白されても全部断ってたんだよ」
今日、初めて真由子が笑顔を見せた。
「美咲からそういう話しを聞いてて、さっきのはすごい後になってから気付いたの。今の美咲がサキじゃないってこういう事なんじゃないかなって」
真由子の顔がまた曇った。
「だからごめん。私がもっと早く気付いてたら、隆太も嫌な思いしないで済んだし、美咲も…」
俺の視界がぼやける中で、真由子は頭を下げた。
これがもし本当なら、俺の罪は更に重い事になる。
俺は、俺を愛してくれた人を、愛した人を、この手で殺してしまったのだ。
「美咲…」
ここ最近、薄れていた感情が、どんどんあふれ出して来た。
今までに味わった事のないそれのせいで、俺は真由子の前だというのに、声を詰まらせながら泣き続けた。